30代処女がキャバクラの体験入店に勇気を出して挑戦した話

4.0
ソロ活の活動報告

私は世間知らずでした。
自宅と職場、スーパー、ダイソー、たまに病院。
そんな小さな世界で生きていました。

幼い頃から、
いわゆるキリスト教系新興宗教二世でした。
10代から20代にかけて恋愛を厳しく制限され、
そのまま30代になり、40になった今でも、
男性経験も、恋愛経験もありません。

それでも自分の中にあった
「夜職してる人への偏見」
をなんとかしたくて、
30代の半ばのころに一晩だけキャバクラの体験入店に飛び込みました。

世間知らずのアラサーが、
どうして一夜だけキャバ嬢になったか、
そして、この体験を通して考えたこと、を
思い出しながら書きましたので、
ご興味ある方はどうぞ。

スポンサーリンク

夜職してる人への偏見があった

私の育ったキリスト教系新興宗教は、
「結婚前のセックス」を殺人の次くらいに大罪としている宗教でした。

そのため「結婚前のセックス」以外にも、
「同棲」「デート」「恋愛」はもちろん、
「恋愛映画・ドラマ・小説」「エロ画像・動画」「異性とのメール」「異性と交わすジョーク」「異性の運転する車の助手席に座ること」まで、
「汚れた行い」として避けるよう教わりました。

そのような宗教の中で、
「水商売をしてる人」がどんな扱いをされてるか、
というのは想像に難くないと思います。

でも、どこへ行っても、
繁華街の一画はスナックやキャバクラじゃないですか。

私には宗教内での友達しかいなかったので
身近にはいませんでしたが、
私と年の近い女の子が普通に、
そこで働いてるのに、
そこは、紛れもなく社会の一部なのに、
なぜ、汚いもののように締め出すのか。

しかも、一番重要視するべき聖書には、
神様は職業で人を判断したりない
と書いてあるのに、
自分が宗教の影響を受けて、
キャバクラなど水商売で働く人を、
内心、奇異の目で見ているのを、
うっすら自覚していました。

そのことをなんとかしなければ、
とずっと思っていました。

スポンサーリンク

30代の処女がキャバクラに体験入店することになったきっかけ

信じてもらえるかは分かりませんが、
私はその悩みを、
神様にお祈りして相談してみました。

「神様、あなたは、
夜職をしている人のことを、
差別したり、偏見に満ちた目で見たりはしておられません。
だけれども、私は、そうはできていません。
そのことを、恥ずかしく思っています。
どうしたら、そういった偏見を克服できるでしょうか?」と…

そうしたら心に、
じゃ、自分でバイトしてみればええんちゃう?
という返答が聞こえてきたのです。

いや、そんな、バカな……

ここまで何度も書きましたが、
私は30過ぎても男性経験はおろか恋愛経験もない、
だからこそこうして夜職してる人への偏見さえ芽生えている状態なのに、
キャバ嬢になろうなんていくらなんでも無茶苦茶すぎると思いました。

実際、見た目だっていい方ではないんです。
そのことは自分が一番よく分かっていました。

でも、この日以降、
祈りの答えが日に日に重くのしかかっていくのを感じました。

結局のところ、
二択を迫られていると感じました。

恐怖に負け、
弱い自分でい続けるのか。

それとも、勇気を出し、
なりたい自分(すなわち、他者への差別が芽生えているのに気づいたらそれを放置しない自分)になるために一歩を踏み出すか、
の二択です。

もともと希死念慮のかなり強い人生を歩んできたため、
いつしか「偏見を克服する!」という当初の殊勝な目的はどこかへ行って、
これ以上、自己嫌悪の種を増やすことへの恐怖が勝る形となり、
観念して、キャバクラでのバイトを真剣に考えるようになったのでした。

スポンサーリンク

容姿に自信のない人・初心者のためのキャバ嬢準備編

やはり真っ先に気になったのは容姿です。

地味な顔立ちをしていると親に言われて育ちましたし、実際そうだと思います。

それに、学生時代は友達も多くて、
その中には周囲でも有名なかわいい友達もいたので、
そうした友達と並んだ時のまわりの反応の差というのにも当然気付いていました。

そのため、けっこう若いうちに容姿に対していじけてしまって、
メイクやファッション、ヘアスタイルなど、
努力すればいくらかマシにできるような領域もほとんど手を付けず、
綺麗に見せるための努力、
というものをこれまで全然して来なかったなということに気が付きました。

どんなに努力しても必ず負けると分かってる領域に挑むのなんて誰だってヤじゃないですか。
だから、そういう領域から逃げていたんです。
そうことにもようやく思い至りました。

ですが、キャバクラで働くに際し、
料金体系などについていろいろ調べていくうちに、
客単価やドリンクの相場が、
思ったよりも高額なことに本当にびっくりして、
(座るだけで数千円。ビールも一杯3000円。
そこに指名料や、延長料金が加算されていく。
数粒のミックスナッツも1000円)
この価格を、
容姿に一切気を遣わない女(私のこと)に払うことになるオッサン(お客のこと)、
かわいそう過ぎる、、、
と長年小売店で勤務してきた従業員としての良心が痛み、
少なくともよく見える努力くらいしなければ、
お客様に申し訳なさすぎる、と。
心を入れ替えるきっかけになりました。

それで「メイク 整形級」「ギャルメイク 変身」など、
大きな変化が期待できそうなキーワードでネットを検索しまくりました。

本当にインターネットのある時代に生きていて良かった……

桜井ののかさんのYoutubeのメイク動画は、
ハナクソを取るところから教えて下さるので、
そのオープンさに笑わせてもらいつつ、
本当に救われました。

今はネットで調べればメイクの情報が豊富にありますし、
「プチプラコスメ デパコス級」みたいなありがたい情報もあるおかげで、
貧乏でもなんとか一式購入でき、
二か月くらい毎日特訓しました。
(最近買ったものはコチラ

とはいえ、
やはり「別人級のメイク」に「カラコン」は欠かせない、
ということで、私も一応楽天で500円くらいのカラコンを適当に購入してみたものの、
目が小さすぎるようで、一時間以上格闘しても入らない、などという失敗もありました……

また、応募の前にはgoogleで「キャバクラ 初心者」「キャバクラ 容姿に自信がない」といったキーワードでも検索してみました。

その際には、
「容姿にあまり自信がない場合は、大型店ではなく、小さい店にすること」や、

「電車の乗り換えのできるような大きな駅周辺の店は女の子のレベルも高いので、
容姿に自信のない場合、郊外の店をあえて選ぶ」
こと、

「面接に行く際は、面接だからと言ってジーパンなど普段着で行くのではなく、
お店で働いているところがイメージできるような、派手めの女性らしさのある格好で行く方がよい」
などの有益な情報を得ることもできました。

それまではまったく知識もなかったので、
水商売→新宿歌舞伎町??くらいのざっくりした感覚でいたのですが、
ブスのアラサー初心者が歌舞伎町なんかに突撃しなくて本当に良かったです。
やはり無知すぎると逆に身の程をわきまえられなくなるらしいということも学びにもなりました。

スポンサーリンク

無謀な体験入店のお店選び

とはいえ整形したわけではないので、
見違えるほどの変化があったわけではないのですが、
たまにメイクの出来をほめられる日も出てくるようになり、
少しづつ、外見がマシになってきたかな、という実感を得つつも、
その一方で自分でも、
これ以上はやりようがないな、
という感覚になってから、
実際に応募するまでさらに二か月を要しました。
勇気がなくて……

しかしこの時の私はもう30を過ぎており、
容姿の衰えを感じるようにもなってきました。

具体的には、
朝起きた時のクマやシワ、ほうれい線などが、
日に日に濃くなっているような…

だからこれ以上時間をかけて、
メイクの技術をいくら上げても、
容姿は衰える一方だ、
と自分にはっぱをかけました。

それで次の週、
タウンワークで「ナイトワーク」で検索し、
一番上に出てくるお店が、

自分の行ったことのない街のお店だったら
そこに応募する!と決めました。
(コンプレックスの克服が目的なものの、
万一でも知り合いに知られたら面倒なことになると思ったので)

今思えばこんな選び方して、
夜職の知識も全くなく、
しかも処女ですので、
エッチなサービスのある店はさすがに無理(対価を受け取れるようなサービスを提供し得ないという意味で)だったのに無謀だったと思いますが…

幸運なことに、実際に働けたのはとてもいいお店でした。

スポンサーリンク

応募の電話をした当日に即面接という流れに、それでもまだ覚悟が決まらない

食べたものを吐きそうになりながら、
タウンワークにこの日新しく掲載された、
自宅から電車で一時間以上かかる都内のキャバクラに応募の電話をかけました。

出たのは早口な男性でした。

私「た、タウンワーク見て、
応募したいと思ったんですけど!」

…正直に年齢も言いました。
(後の面接で身分証の提示も求められたので気を利かせてサバよんだりしなくてよかった)

33歳です、と。

さすがに先方も驚いて、
「さ、33!?それで初!?
うち、キャバクラなんだけど、わかってる!?
大丈夫!?」
と、そりゃあそうだよね、
という反応が返ってきました…

ただ私のこの志望動機はあまりに複雑だったので、
「お金が欲しくて……」
とまぁウソではない志望動機を手短に伝えました。

「ふうん…」と一応は納得してくれ、
「まぁウチは、20代から40代前半くらいまでの女の子在籍してるからね!」と教えていただき、
この時点で自分より年上もいるらしいお店に応募できたことにまず一安心しました。

お店の近所であれば車の送迎もやってるそうで、
居住地も尋ねられたのですが、

「え、○○!?」
とまたびっくりさせてしまったのでした。
(電車で一時間以上かかるので)

「知り合いにバレるのが怖いので!」というと
「あ、あぁ…」と納得してくれました。

流れるように会話のスムーズな方で(店長でした)、
必要な私の情報を聞き取った後、

「じゃ、とりあえず面接しよっか!
会ってみないと分かんないしね!
この後、店まで来れる!?」

といきなり当日に面接することになりました。

特に断る理由もなかったので
(不安で吐きそうなこと以外)、
「行きます!」と答えました。

さぁ、もう後戻りはできないぞ……!

電話を切り、
さっそく身支度に取り掛かります。

さて、服なのですが、
私の所属していた新興宗教では、
女性は絶対にフォーマルかつスカートを着なければならない、
という謎のルールがあったので、
フェミニン系の格好は一揃い持っていました。
(もちろん、露出が少なく、
ボディラインが出ない、
セクシーでないもの、
という制約つきですが。)

その中から、
比較的ドレスっぽいワンピースを選び、
カーディガンを着ずにノースリーブのまま着用することにしました。

また、ここまで体形については触れて来ませんでしたが、
私の場合、過去数回にわたって拒食症をわずらった経験があり、
食が細く、現在でもけっこう痩せているため、
ここはあまり悩まずに済みました。
ここへきてメンヘラだった過去が役に立つなんて……って感じです。

時間も近づいてきたので
最寄り駅を出発し、
新宿で地下鉄に乗り換えましたが、
こんなにも

止まってくれ、電車…!

と思うことはもう後にも先にもないような気がします。

自宅と同じ都内なのですが、
思ったよりずっと遠くて、
一時間半くらいかかりました。

キャバクラの最寄り駅には、
面接の予定時刻より20分ほど早く到着しました。

でも緊張しすぎて、
行きたくな過ぎて、
近くの商業施設のビルのトイレの個室でうずくまり、
このままバックレてしまおうか……
と何度も思いました。

でも、ここで逃げてしまったら…
今日の面接の応募の電話から、
ムダ毛の処理から、
普段やらないような念入りな保湿から、
また一から全部やり直し、
ということが、本当に面倒くさくて、
とにかく今日で全てを終わらせてしまいたい!
という一心で、意を決しました。

ていうか仮に、
今回のこの面接で、

お前みたいなブスがキャバ嬢とかww
他を当たってくださいww

となれば、もう気が済むじゃないかと。

「私は最善を尽くしたが、
先天的な・生まれ持った・変えることのできない容姿のせいで、
水商売の世界に受け入れてもうことはできなかった」

「それゆえに、私は万全を尽くしたが
水商売への偏見を克服することはできなかった」
という事実が手に入れば、
もうそれでいい、と思いました。

待ち合わせ場所のマクドナルドの入り口で
10分近く待ったでしょうか。

永遠みたいに長く感じました。

ふいに、40代~50代くらいの、
小柄で瘦せ型、お洒落な恰好の男性が颯爽と現れ、

「〇〇さん!?どーも!
じゃ、面接するからお店行こっか!」
と声をかけてくださいました。

何から何まで話の速い店長でした。

スポンサーリンク

キャバクラ体験入店の面接内容とはどのようなものか

歩いて2分くらいのところにある、
雑居ビルの二階のテナントがお店でした。

けっこう古いお店で、
昔からあるカラオケボックスのような雰囲気の内装でした。

開店してからは、
キャバクラっぽいムーディーな照明に切り替わりました。

このお店の事務所ではなく、
客席で面接しました。

店長がお客さんにお酒を出す用であろうタンブラーにたっぷり冷えた緑茶をついで出してくれました。

この日は7月の下旬だったので夕方とはいえ暑かったし、
面接でお茶を出してもらう経験が初めてで、
ありがたくてぐいっと飲ませていただいたのですが、
後でお客様がふるまってくださったドリンクを飲み干さなければいけなかったことを思えば、
この時あんまガブガブ飲まない方が良かったなと今になって思います。

面接では簡単な履歴書的な紙に記入し、
(名前、年齢、生年月日、住所、電話番号、緊急連絡先(悩んだものの実家の電話番号を記入。もちろん連絡がいくことはなかったです))

身分証明書を見せましました。
私は免許持ってなくて、
当時はマイナンバーカードもなかったので、
パスポートを出しました。

コピーを取られましたが、
いちおう「コピーとるね?」くらいの確認はあったと思います。
(うろ覚え)

そのあと、さっき電話でも話した
「志望動機」や「居住地と通勤方法」なども改めて尋ねられ、

なんだか私も、
さっきの電話では志望動機をテキトーに「お金欲しいから」とか言ったものの、
店長の親切な人柄に少し心を開けたのか、
この時「キャバクラで働いてみたかったから」と
本心にもう一歩近いものを正直に話しました。

店長からは、
「そっか、友達にキャバ嬢がいるとか?」
ときかれたものの、

それについては、
私には新興宗教の処女の友達しかいなかったので
「それはいないんですが…」
と答えることになり、
(じゃあなんでキャバ嬢やりたくなったんだよ)と
余計怪しくなったような気もしないではないです。

その後は「お給料のしくみ」なども丁寧に説明してくれたのですが、
今回はあくまで人生経験を積みに来ているわけで、
しかもいわゆる昼職の時給とは倍以上違うしで、
現実感がなく、
あまり真剣にきけなかった気がします。

スポンサーリンク

キャバクラ勤務マニュアルの中身

その後けっこう分厚い、
a4の大きさの10~20ページくらいある仕事内容に関するマニュアルを渡され、
内容を10分くらいで早口でパァーーーーーっと説明されました。

覚えている内容は、

・無断欠勤の際や、当日キャンセルでの欠勤の場合、
1回1000円~5000円程度の罰金がペナルティとして取られる。

・ウエイターに出す指示、ハンドサインの図解もあった。
野球においてキャッチャーとピッチャーがやるやつみたいな…
一つも覚えられなかったが、
この店以外のキャバクラにも共通の言語であるなら覚える価値はありそう。

・お酒の作り方。
一般的にキャバクラやホストクラブではテーブルごとに焼酎のボトルが置いてあり、
それが飲み放題になっていることが多いです。
ファミレスでいうところのお冷やの入っているピッチャーが置いてある、みたいな。
さすがに焼酎をストレートで飲むお客さんははあまりいないので、
このテーブルの焼酎を割ってお出しします。
この時、割り材は炭酸やジュース、ウーロン茶にすることもできますが、
割り材は有料でけっこう高いです(一杯1000円~)。
この「お酒をお客さんのために、
ついで、まぜて、お出しする。
この工程をお客さんの目の前でする」
ところがキャバクラの醍醐味であり、
どこか儀式めいているというか、
演劇っぽいといういうか、
非日常感の演出に繋がっているので、
心を込めて、できれば優雅に?
提供するのが良いと思います。

・おしぼりのたたみ方。
おりぼりは」テキトーにテーブルの上に放り出しておけばいいというのではなく、
サンドイッチのような三角形に立体的にたたみます。
そうすることで見た目も整って見えるし、
ナッツをつまんだ手をすぐにぬぐえます。
これは有益と思ったので、
普通の生活でもやるようになりました。

・灰皿の始末の仕方。
灰皿の灰が舞わないように、
別の灰皿ですぐに蓋をします。
灰皿はマメに取り換えてもらう。
私には喫煙の経験がないので、
勘所がわからず難しかったです。

・キャバ嬢の心得。同僚へのマナー
ヘルプで入る場合は、指名の女の子を立てる。
指名の女の子よりも目立たないように気を付ける。
指名客を取らない。
などが箇条書きになっていました。
こういう「同僚への気遣い」が明文化されてるのいいなと思いました。
新人にろくな説明もしないまま「空気読め!」とか「礼儀を身に着けろ!」とか言って放置して、
後でみんなが嫌な思いをする、という無駄な確執を防げるので。

こういったことを、数分で、
覚えられねえよという勢いで教えてくれました。

でもこの時にしてもらった新人の指導は本当に勉強になって、
一から説明するのが面倒くさくても、
根気強く、しっかり一通り説明することは大事だなと学ばされました。

働いている人にとっては常識でも、
そこで初めて働く人にとっては、
何も分からないですからね。

これまで自分が職場で新人教育をする際は、
あまり細かく言っても一度には覚えられないと思っているし、
ある程度やりながら覚えていくものだとも思うし、
ぶっちゃけ少し面倒というのもあって、
ざっくりとした説明しかしてこなかったのですが、
私だってこの時、
1から親切に教えてもらったことで、
全部覚えられなくても概要をつかむことはできたような気がしたので、
私も新人の教育をする時は、
面倒くさがらず、とりあえず全て一から説明するようにしよう、と考えを改めました。

スポンサーリンク

即日、体験入店

「じゃ、ま、とりあえずやってみる!?」

と話の速い店長さんが早速体験入店をすすめてくれたので、

「は、はい!じゃあ、やってみます!!」

という感じで、
さっそく体験入店をさせてもらうことに。

本当に緊張していたので、
こうやって勢いで話を進めてくれて、
本当にありがたかったです。

また来週、とかなってたら、
逃げ出していたかもしれなかった。

また、この時に、店長さんが
私を頭のてっぺんから足の先まで見て、

「うん、このままで良さそうだね!」
と言ってくれたこと。

このことが、これまでずっと外見にコンプレックスを持っていた私の劣等感を、
いくらか解消してくれたように思います。

この日以降はもう、
特になんのケアもせず、
地味な女としてただ老いているのですが、
一度も、結婚も、恋愛もしてこなかった自分(の見た目)に、
女性としての価値がある、
としてもらえたこと。

……が後の人生に自信を持たせてくれたような気がします。

話は体験入店に戻ります。

一応、キャバ嬢用にドレスの貸し出しもやっていて、
見たこともない、
アメリカのセレブみたいなセクシーなドレスが並んでおり、
正直ちょっと着てみたいような気もしたのですが、
こういうのって、
着こなすのに意外と精神面も大事というか。

女性としての身繕いの「練度」みたいのも必要かなと思ったのでやめときました。
平たく言えば、似合わないと思ったということです。

ドレスのかかった4畳半くらいの、
更衣室兼事務所は狭く小汚かったのですが、
職場の事務所などどこもそうでしょう。
(私の昼職の職場だって狭くて汚いです。)

それと、
「ハンドバッグ」持ってるか?ときかれて、
この日はそのへんの雑貨屋で買った2000円くらいのごく普通のトートバックで来ていた私は
持ってないと答えたら、
呆れられたように
「ハンドバッグ持ってないと!」
と言われ、
それだけは借りました。

持ち手のない、固い、刺繍でザラザラしてる、
任天堂Switchのハードケースくらいのサイズ感のハンドバッグ。

こんなん持ってねえよ。

もしくはいるなら事前に言ってくれ。
でもこのためだけに買うのも辛いので、
貸してもらえて良かったです。

この「ハンドバッグ」には、
ペットボトルのお茶(待機中に飲む)、ハンカチ、ライター、吸う人はタバコ、名刺(また来てね、の意味で渡すので重要)、ボールペン(名刺に記名するときに使用)、スマホを入れておくそうです。

そういえば、名刺も支給してもらいました。
(お店の名前が入っている無地の色厚紙)

私の源氏名ですが、
「なんかつける?」
ときかれたものの、
まぁまぁそれっぽい名前が本名なので、
新しい名を名乗るのもなんだか気恥ずかしかったこともあり本名のままにしました。

名刺はお客さんに必ず渡すよう教わったのですが、
これは私の普段の職場でもたまに注意されるような欠点なのですが、
もともとの性格上押しが弱くて、
なかなか営業がかけられない性格がここでも出てしまい、
結局誰にも渡せずじまいでした…。

今思うと、
そんなの自意識過剰で、
名刺を渡して営業をかけるのもお仕事のうちなのに、
とんだポンコツだったなと思います。
もし次の機会があったら絶対ちゃんと渡します。

この時の名刺は今でも大切にとってあります。

いつの間にか他のスタッフも出勤してきていて、
簡単な朝礼がありました。

朝礼の内容は昨日の売り上げ、
今日の来客見込み(キャッチをやると話していた気がします)、
新人の紹介(私)など。

本当に何から何まで失礼な話なのですが、
こうして朝礼があって、
従業員間で情報共有がされてて、
キャバクラといっても、どこまでも普通の職場なんだなと思いました。

また、店長さんに

「初めての体験入店だから、みんなフォローしてあげてね!」

と紹介してもらいました。
親切過ぎて泣きそうになりました…

とりあえず待機場所というところに通されました。

今でもこの「待機場所」のシステムの目的がよく分かんないのですが、
なんかこう、ショーケースに並べられているケーキになったみたいな。
釣り堀の魚としてプールに放されたみたいな感じ。

でも、お客さんの座るテーブルからはちょっと遠くて(個人喫茶店の喫煙エリアと禁煙エリアくらいの距離感)、
お客さんが品定めするんには遠いし、
結局一人づつお客さんのテーブルに派遣されるんであれば、
事務所で待機させてもよくないか?という…

よく分かりませんでしたが、
言われるまま待機場所で他のキャバ嬢と待機しました。

この時に、たまたま来ていたとかいうオーナー(店長ではない)のオッサンとキャバ嬢の女の子たちの談笑を聞かせてもらったのは本当に興味深かったので、
結果としては待機場所があってよかったです。

スポンサーリンク

30代処女がキャバクラでいよいよ初接客したもののコテンパンにされた話

本当にびっくりしたのですが、うらぶれたカラオケボックスの雰囲気がいつの間にか
キャバクラとしての緊張感の漂う空間になっていました。

店の照明が暗くてムーディーなキラキラしたものになったからなのか?

蝶々みたいな現実感のない美しさのキャバ嬢がゆうぜんとフロアを歩くからなのか?

さっきまで近所のお兄さんみたいにフランクだった店長がピリッとして、
いわゆる「黒服」としての接客モードになっているからなのか?

そういうのが全部合わさって、
店の従業員全員で「雰囲気」を作っている、と感じて感動しました。

さっきの朝礼の時とはまるで別の場所にいるみたいな。

(ホントに失礼なのですが)郊外の小さなキャバクラなのです。

ですが、ここは「プロ」の集まる「職場」であり、

どこの職場でもそうであるように、
従業員同士で力を出し合って、
お客様に価値を提供する。

そうした真剣な「仕事」の場である、
ということが肌で分かりました。

これを体験できただけでも、来た甲斐があったと思いました。

ていうかそもそもキャバクラの店舗にすら行ったことがなかったワケですから、
雰囲気に圧倒されるとしてもまぁ仕方のないことなのかもしれません。

そうして感動を噛み締める間もなく、店長から

「〇〇(私)さん、1人目のお客さんいける!?」
と声をかけられました。

もう後は接客をするのみ。

背水の陣の構えで、
まりさんという、綺麗なお姉さんの指名客であるハゲた陽気なオッサンのテーブルについたのでした。

オッサンに名乗り、
オッサンから一瞥をもらうものの、
次の瞬間にはふいっとそっぽを向かれてしまい…

ブスだから相手にされてないんだ!と
めちゃくちゃ焦りました…。

このオッサン、
ものすごい頭がキレるというか(ハゲてるし)
終始私より一枚上手で、
ずっと試されているみたいな、
からかわれているみたいな、
嚙み合わないというか、
座りの悪い感触が最後まで続きました。

でもこっちも初めての客だし、
なんとしてでも笑顔になって欲しい、
と一生懸命だったわけですが…

なんていうか、このオッサンの接客をしていると、
自分に水商売の現場で価値を待つコミュニケーションの経験が全くないということや…
こういう場で役に立つスキルをまったく持ち合わせていないことに直面させられたというか…。
容姿のこと以上に。

というのも、面接じゃないんですから、

「彼氏いるの?」 「何歳?」
みたいな質問に、

ド誠実に「いません!!」「33歳です!!(本当)」
とド直球で返すよりも、

むしろその場のみんなが笑顔になれるような「フザケ」を、
ちょっとズレたところから引っ張ってくるくらいの方が正解というか。

例えば、「殺しました」、「3歳~!」みたいな方が、
嘘でもフックとして面白いというか。
もちろんボケを重ねるセンスが必要にはなりますが…

本当に、これまで宗教二世で、クソ真面目に生きてきて、
それでも宗教でも、職場でも何となく浮いてて、
はみ出し者みたいなキャラをしてきたくせして、

かといってこういう時にお客を笑わせられるようなフザケも出てこない、
中途半端な自分がとてつもなく恥ずかしかった。

でもこんなことろで泣き出すわけにもいかない、
客は金を払ってる、
なんとかオッサンに金払って良かったと思って帰ってもらわなきゃ、と終始私は必死でした。

こうして、
真面目さが裏目に出、スベり倒す私に、
オッサンは

「もっと女性として自信持った方がいいよ!」と言ったのでした。

なんで出会って数分で私が女性として全く自信持ててないってこと見抜くんや…!(T-T)

…まぁこういう感じで終始オジサンのペースだったワケですが、

いつしか「初々しくてかわい~」とホントに嘘っぽい言い方をする割に、
肩を抱いたり手を握られたりされたのでした。

しかし思い出してほしいのですが、私は処女なのです。(笑)

触られること自体が初めてなわけで、
このような時どのような心地がするかというと、
まるで象の皮膚が触れているかのような感じでした。

無感覚、というか…ただ困惑というか。

なまあたたかいざらざらした感触だけがするというか。

どうしよう…と固まっていたところで、
オジサンは急にトイレに行き、席を外しました。

それまでニコニコと私とオッサンとを見つめていた先輩キャバ嬢ことまりさんが、

「大丈夫?イヤだったらイヤって言いな~」と声をかけてくれました。

でも、私みたいなブスだって触られてるくらいですから、
きれいなまりさんはさっきからもっと触られてて、
そんなまりさんを前にして、
私だけ、イヤです!なんて言えないよ…!
まりさんは、大丈夫なんですか…!?
と、思ったけど、言っていいのかわかならい!
(キャバクラで男女間の浄不浄を語るモラルを持ち出すのもおかしいとはさすがに思った)
と思ったところで、オジサンが帰ってきました。

そこからまりさんは、
さっきよりももっと積極的に、
オッサンとイチャイチャしはじめ…
(具体的にはポッキーゲームなどをして)

オッサンも非常に嬉しそうで、
私から注意が一気にそれたのを感じました。

ここではたと、
まりさんがフォローしてくれてる、
オッサンの注意をご自分に向けることで、
オッサンに触られてビックリしている私を守ってくれてる、んだと気が付きました。

一大ピンチを、先輩キャバ嬢に救ってもらったのです…

また周囲を見回すと、
黒服の店長が、
今にも「触らないでください」とオッサンに注意しようか迷っている、という様子で、
心配そうにこちらをうかがっているのも目に入ってきました。

これが私の、初めての接客体験でした。

持てるものをすべて出したものの、
お世辞にも「仕事」とは言い難い接客。

それを、これまで遠巻きに差別してきた、
水商売の現場の方にフォローしてもらって、ようやく
終えることができたのでした。

スポンサーリンク

おわりに

その後、2人目、3人目と接客をしました。

3人目のお客様は出身地が同じということもあり、
普通に会話が楽しくて、
あっという間に時間が過ぎました。

3時間の体験入店が終わり、
お疲れさまでした、といって
店内を振り返ると、
皆さんが笑顔で会釈してくださっているのが目に焼き付きました。

帰りの地下鉄のホームで、
その光景を思い出して少し涙ぐんでしまった。

私がずっと、「異様なところ」のように感じていた「夜職」「キャバクラ」の現場には、

優しい心を持ったキャバ嬢と、

真面目に仕事している黒服やキッチンと、

気のいい客がいるだけだった。

そこにいる人たちに。
先輩キャバ嬢に、店長に、キッチンに、お客様に、本当に助けていただいて、
30代の処女だったのに、キャバ嬢として働かせていただいて、
お金までいただいて帰ってきてしまった。

お給料は6800円でした。
すごい遠いところまで来たので半分は交通費笑

それでも、この時受け取ったお金は別にして、
その後も半年くらい、なぜだかずっと使えなかった。
さすがにもう使っちゃいましたが笑

この結論で、

「私は水商売への差別心を克服しました!」と言うとウソっぽい。

でも、何年たっても、
この時のスタッフからお客様からすべての皆さんへの感謝の気持ちは忘れることができないです。

この時以降、水商売をしているという人に出会っても、びっくりしなくなりました。
自分だって一晩とはいえ、そこで働いたのですから。

そういう変化が自分の内面にあったこと。
些細なことかもしれませんが、
この冒険は成功だったのだと思っています。


人気記事

この記事を書いた人:

一人で生きるハムスター

一人で楽しく過ごすアイデアが見つかる!
遊び予約/レジャーチケット購入サイト「asoview!(アソビュー)」

新着記事

30代処女が渋谷のクラブでひとりオールしても大丈夫かやってみた【女子ひとり旅ソロ活ガイド】
初心者かつ女一人で行ってみたいと思っている方へのアドバイスを含めつつ、あんなとこ誰が行くねん!と思っていた自分の価値観・先入観をぶっ壊すと決めたのだ。行ったことない所にこそ、行ってみるべきではないのか!?ということで一人で行ってみました
一人で警視庁本部の見学ツアーに参加した感想
都内でできる社会科見学として有名な警視庁本部見学ツアー「来て・見て・発見!」警視庁に一人で行ってきました。その感想のレポートです。
ひとりでコミケに行ってみようとしている人へ、30代で初めてコミケに一般参加したオタク女からのアドバイス【2023版】【女子ひとり旅ソロ活ガイド】
毎回ニュースでも取り上げられるほどのにぎわいを見せているコミケことコミックマーケット。もちろん聞いたことはあるけど、行ったことはないという方へ!オタクとオタクでない人向けに、楽しむポイントを解説していきます。
女一人で63ANGEL(旧バーレスク東京)を見に行った感想【女子ひとり旅ソロ活ガイド】
2019年の感想です可愛い女の子がキレイな衣装を着てダンスを踊る光景が好きじゃない人間ってこの世にいるのだろうか?男性だけじゃない、女性だってキレイな女の人が大好きなのだ鍛えられた美しい身体、レッスンの結実たるキレのあるダンス、クソなコンプ...
COMICCITY、春コミ、スパコミ、スパークなど女性向け同人誌即売会にひとりで行ってみよう!初心者向け完全ガイド
同人誌即売会が気になってるけど、どうやって参加したらいいの?同人誌を買ってみたい!とお悩みの女の子たちへ!基本のルールから同人誌即売会での買い物の仕方まで初心者向けに徹底的にまとめた決定版!
投資をやってみる〜fx挑戦レポート・デモトレードで練習するもセンスのなさが露呈編
さて、前回に引き続きfxに挑戦するシリーズだ。挑戦するに際し、さっそくDMMfxにて口座開設することにした。宅配ピザより速い口座開設なんと最短30分で口座開設!とある。そんなことありえるのか?と半信半疑だったが、なんと本当に審査を含めて30...
投資をやってみる〜fx挑戦レポート・いきさつ編
人に歴史あり。ということでここで打ち明け話をさせていただくと、3年ほど前にデイトレーダーを目指していたことがある。デイトレーダーとは何か?デイトレーダーとは、株を1日のうちに何度も売買し、その値動きによる利益を得ることをなりわいとする人のこ...
元演劇部員が2.5次元の魅力を解説!DMMtvプレミアムをおススメする理由
アニメやマンガの世界を2次元、私たちのいる現実の世界を3次元というのであれば、マンガの世界からそのまま飛び出してきたような完成度の高いコスプレイヤーや、実写作品、舞台化作品のことを2次元と3次元の間(あいだ)「2.5次元」と呼ぶのが適切だ。
独身処女がJAL工場見学に行ってきた
このようにお一人様体験ブログをしている私だが、「一番オススメの工場見学はどこか?」ときかれたら迷いなくこちらJALの整備工場をあげる。そのくらいクッソ楽しい。なので行ったことない人はとにかくぜひ行ってみてもらいたい
ひとりでKITTE丸の内の完全無料博物館インターメディアテクを見学し、おしゃれインテリを気取った
東京駅徒歩1分のKITTE丸の内の完全無料の博物館「インターメディアテク」無料とは思えない、賢くカッコいい博物館でオシャレな時間を過ごそう。
一人で生きるハムスター

東京都在住一人暮らし。アラフォー、未婚。彼氏なし、処女。都内を中心にソロ活歴13年。宗教二世として育てられ、30代半ばまでハルマゲドンが起き、もうすぐこの世が滅びると思っていた。紆余曲折あり、宗教のことはいったん置いておいて、ともかく自分の力で生きていこう、と思った時、世の中のことを何も知らず、生まれたばかりのような世間知らずの自分に気づく。なんとかしなきゃ…と焦ったが、身体も弱く、金もなかったので、居住地周辺でできることから始める。そうする中でコミケから裁判傍聴まで、お一人様でも突撃するハウツーが溜まってきたので、誰かの役に立てばとブログを始める。

一人で生きるハムスターとお友達になってね

コメント

  1. いい男 より:

    もう一回、違う店で試しに「体験入店」してみては?。

タイトルとURLをコピーしました