趣味で裁判の傍聴に行くようになったが、
罪を犯した人が有罪になったその後、
どうなるのか?にも興味が出てきていた。
年に一度しかないこの機会に、
見学に行ってみることにした。
※2018年に参加した際の感想です。
※2023年はプリズン弁当の販売はない見込みです
府中刑務所矯正展は年に一度開催される

日時
東京都府中市にある府中刑務所は、
年に一度一般公開イベントとして
11月3日㈷に府中刑務所文化祭を開催しています。
(2020〜2022年の間は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止でした。)
文化祭の内容
この文化祭では、
目玉の刑務所施設内の見学ツアーの他に、
刑務所内での食事を再現したプリズン弁当の販売、
受刑者の作成した商品の販売、
普通のお祭りのように飲食店の屋台なども出店しています。
開催時間が短く一日だけで、
それも数時間で終わってしまうので、
早めに到着するのがオススメです。
アクセス方法
JR国分寺駅からバスで10分、
もしくは京王線府中駅からバスで10分です。
駅から歩けなくもないですが、
地元民もこの距離を歩く人はそういないので、
電車で来られる方にはバスの利用をオススメします。
施設内見学 整理券獲得のコツ
当日は地元民を中心にかなりにぎわいます。
客層は家族連れが多いと思います。老若男女。
歩けないような殺人的な混雑ではないです。
目玉の刑務所内施設見学は先着順なのですが、
2018年時点では開場の1時間前に並べば割とすぐ入れました。
とはいえ、お昼前には受付を終了してしまうみたいなので、
早めの到着がオススメです。
※2023年は検索数も多いので、当日混雑するかもしれません。
開場1時間以上前が確実かも

コミケほど気合を入れなくても大丈夫だが、
不人気イベントではないので早めに列に並ぼう
刑務所内施設見学の内容

最近まで公式がプリズンアドベンチャーとかいう
ライトな名前をつけていたこの府中刑務所施設内見学は、
刑務所の入口に整理券指定の時間に集合してスタートします。
手荷物検査はありませんが、
バッグなどの手荷物から物が取り出せないように、
手荷物はビニール袋に入れられて結束バンドで縛られます。
こうやって「危険物持ち込み禁止」ではなく、
参加者の私物を取り出せなくする、というのは
なかなか工夫だなと思ったのですが、
それにしても、
いったいどんな「持ち込み」「取り出し」が想定されてるんでしょうか。
というのも、この府中刑務所は男性専用の刑務所で、
初犯ではなく、二回以上の服務経験を持つ比較的重めの刑罰を受けている人が入る刑務所だそうです。
たとえば暴力団員など。
まじめに生きてきた一般市民からすると映画の世界の話のようですが……
そう考えると、この年に一度の一般開放の日に
参加者に紛れて受刑者に何かを渡そうとする人がいると想定されているのか…
不謹慎ですが想像が広がってちょっと面白かったです。
そういう「危険人物」が服役している刑務所の割に、
刑務所の中が見えるマンションやビルも(刑務所からも目視できる)いくつかあり、
モールス信号とかでなら、外部と簡単なコミュニケーションなら取れそうだなと思いました。
結構、外の道路を走る車の音とかもハッキリと聞こえるし、
意外と「隔絶されている感」が薄いのも驚きでした。
見学コースで見せてもらえたのは、
刑務作業をする工場、
そのための更衣室・食堂、
お風呂、
体育館でした。
いずれも古い建物なのでしょうが、
どこも綺麗に手入れされていて、清潔な印象でした。
作業の工場には「安全8か条」みたいのが掲げてあるのですが、
・いつも明るく、ほがらかに
・無理と無茶はケガのもと
・わからないことは質問しよう
みたいな感じで、
言葉づかいが意外に優しくて、
「いい職場」なんじゃないか…?みたいな感じでした。
またお風呂場にも注意事項が張り出されているのですが、
それも、「ヒゲそりをしている人の横を通る時は気をつけよう」みたいな。
なんかあたたかいんですよね。
そしてこの標語が10か国語くらいで書いてあるのです。
よく知らなかったのですが、日本の刑務所に外国人が服役することもあるんですね…?
国外追放でおしまい、なのかと思っていました。
この工場の標語は唱和もするみたいで、
これも外国人向けに、
「Itsumo akaruku hogarakani」(いつも明るく朗らかに)
と書いてあるのがちょっとかわいかったです。
工場は刑務作業別に皮工場、木工工場、自動車工場と色んな種類の工場があるのですが、
工場対抗運動会が開催されることがあるらしく、
顔にモザイクのかけられた写真が掲示してあって
ものすごくいい雰囲気なのが伝わってきました。
みんなの笑顔がモザイク越しでもわかるというか。
そんな感じで、地獄の監獄!というより、
学校とか寄宿舎とかの雰囲気に近いと感じました。
東京拘置所立川支部の方が…なんかもっとこう、
嫌な空気でしたね。

見学は広々とした敷地内を、かなりの人数でゆ〜っくりまわるので、まぁ退屈といえば退屈かもしれない。
矯正展
矯正展とは、全国の刑務所で受刑者が刑務作業で作った
高クオリティな商品を割安で購入できる機会のことです。
この府中刑務所の文化祭に限らず、
けっこう色んなところで高頻度に開催されています。
たまに覗いてみるものの、
私が欲しくなるようなものはあんまりなくて……
質としては非常に高い感じはするのですが、
センスがどうも50年前というか……
この時はビジネスノートなるものを買ってみました。250円で。
表紙がピンクでかわいかったので。
これも……普通のノートとしての罫線の枠外に時間管理ができる罫線もついてるという機能の付いたノートなのですが、
こういう機能はもうGoogleカレンダーとかアプリでみんなやるよなぁと。
ただ、表紙も中の紙の質もちょっとそこらへんの文房具屋では買えないような高級感で、
気に入りはしたので、無視して普通のノートとして使いました。
こう、消費者に訴求することが目的ではないので、
センスとかはどうでもいいのだと思うのですが……
もっと、あれもこれも欲しくなるようだといいのになと思ったり。
まぁ余計なお世話ですが……
プリズン弁当

※2023年の販売はないようです
めちゃくちゃ気合い入れてこの矯正展に臨んだ私は(笑)
施設見学だけでなく、人気のプリズン弁当(刑務所内の食事を再現したという)も並んで買いました!
これ800円もします。
献立は、
キーマカレー、
チリソースからあげ、
しば漬け、
麦飯、
ご飯に合うソース(生卵あじ)
こ、これまずくないか、と私は思ったのですが、みなさんはいかがでしょうか…?
自分の舌に自信がないのですが…
メイン?のキーマカレーはまぁおいしかったのですが、
お弁当箱のお漬物?とかの小さめのエリアにちょこっと入ってるのみで、
ご飯に対して少ないし
からあげも、ちゃんと味ついているのになぜさらにチリソースをかけたのか…?
衣もぶ厚くてべしょべしょ気味だし…
最後、ジャネフのご飯に合うソースは初めてお目にかかったのですが、ご飯が卵かけご飯味になるペーストで、お寿司パックについているお醤油みたいに、一回分が小分けになって入っている、というものなのですが、
これがとにかくまずい、と私は思ったのですが……
どうなんでしょう。おいしいのかな?
袋から出した瞬間に白く固まるような怪しい挙動をするのと、味もなんとなく生臭いという…
普通のふりかけじゃアカンのか……?
これは、獄中メシはかくも厳しいモンなんだぞ!と
内外に知らしめるためのお弁当だったのでしょうか。
とにかく経験としてはプライスレスだったので笑
買ってよかったとは思っています。
追記:ネットで調べたところ、おいしい!という評判が大半でした。大変失礼いたしました。

プリズン弁当のお味はぜひご自身で確かめてもらいたい
犯罪者と罰

見学した府中刑務所が、
罰を与えるために存在しているというよりも、
自分の犯した罪を見つめるために、
まるで修道院のように、
慎ましやかに存在していたことがとても意外でした。
毎日、決まった時間に規則正しく寝食を行い、
異性の気配のない、
同性の仲間だけと寝食を共にし、
経済的な利益も目指さず、
ただ眼の前の作業に静かに集中する……
そんな瞑想的な毎日というのは、
ある意味、
一般社会の生活よりも幸福なのではないか……と思いました。
以前に立川拘置所の見学にも行っていたのですが、
あちらの方が「刑務所」でイメージに近かったです。
厳しい刑務官、鉄格子、トイレとおふとんが同じ部屋にある…などなど。
私の認識が正しいか不安なのですが、
裁判で有罪が決まる前までの「容疑者」の間は「拘置所」で過ごし、
実刑判決が言い渡されたら、
こういう「刑務所」で、刑期を過ごすということになるのでしょう。
この、刑罰が確定する前のほうが、劣悪?かはわかりませんが、厳しい雰囲気の環境で過ごすことになる、というのも、なんだか不思議に感じました。
罪に対する償いとはいったい何なのでしょう。
例えば北欧など、人権意識?が極めて高いとされる国では、IKEAぽいおしゃれな家具が美しく揃ったビジネスホテルのような刑務所に犯罪者を収監し、
あえて罪人を過酷に扱わないことで、
犯罪者が己の罪と向き合い、
更正をうながすようにするそうです。
一方で日本では先進国では珍しく、
目には目を、という考えが根深く残るっているのでしょうか、
いまだ死刑制度を採用し続けています。
私自身、裁判の傍聴で、
自身の犯した罪が明るみに出た時、
自分の犯した罪を本当に反省しているっぽい人、
犯した罪の重さをいまいちわかってなそうな人、
もともとかなり独特な考え方の持ち主で何言っても響かなそうな人、
色んな人を目にしました。
見過ごせない重大な事件が起きた時、
犯人に対して話して、分かる人であればいいですが、
罪の重さを理解しない人に、
どうやって反省をうながし、更生させるのか?
社会の誰にも避けて通れない課題なのに、
これまで法曹関係者に丸投げして、
それでよしとしてきた自分にも気付かされました。
まぁ、だからといってどうしたらいいか?
具体的な意見が思い浮かぶわけでもないのですが……
そういう意味では、
府中刑務所にも敷地の真ん中にお寺のような道場のような建造物がありました。
私は新興宗教二世の出身で、
難しいことは考えず、
複雑なことはすべて神にゆだねるよう教わってきました。
そうして主体を持たずに生きてきたことを、
今となってはこうして反省して、
やり直しをしているわけなのですが、
フランスの文豪、ビクトル・ユゴーも名作レ・ミゼラブルの中で描写したように、
やはり人間に罪の意識を持たせ、
心の奥底から改心させるには、
宗教しかないのではないか、と考えたりもします。
まぁ、その個々の人間にモラルをもたらすはずの宗教が、
最近また戦争の火種になっていることを思うと、
も〜〜〜〜〜どうしたらええんかという感じですが……
とはいえ私の所属していた新興宗教は、
あまり犯罪者の教育や更正に対して乗り気でなかったので、
そのことは本当に恥ずかしいことだと思います。話はそれましたが……
興味があればぜひ、出かけてみてほしいイベントです!

罪とは…更正とは…人間にとっての幸福とは…
社会の目指すべき犯罪者への対応とは…
そーいうことを考える
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この記事を書いた人:
一人で生きるハムスター
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