コロンブスがアメリカを発見してから500年。
地球上にはもはや誰にも知られていない土地は存在していない。たぶん……
では、人類の開拓者精神は永久に失われてしまったのか?
人類のフロンティアは今いったいどこにあるのか?
宇宙でしょ!
ということで、宇宙工学については何にも知らない著者が、
現代の人類の歩みについて何かしらのきっかけをつかめたら、と
つくば宇宙センターの特別公開にひとりで行ってきた時の感想をまとめた口コミレビューです。
2018年の感想です。
土砂降りの雨だった

1ヶ月以上前から有給も申請して
めちゃくちゃ楽しみにしていたが、
当日の天気はあいにくの雨だった。
つくば駅についた頃はまだ降り始めの小雨だったのだが、
入口で入場の列に並ぶうちすぐに本降りになってしまった。
そのまま1日、帰るまでしっかり本降りの雨が降り続けた。
9月だったので多少濡れても冷えることはなかったが、
初めての場所だったので、
どこへ行くか?何をするか?の判断がより難しくなった。

構内は大学のキャンパスみたいな感じ。
本降りの時は折り畳みでなく普通の傘にした方が濡れないだろう。
実際に行こうとしておられる方へ、当日の計画の立て方アドバイス
まずはコチラのサイトで当日の催しに何があるかを把握しよう。
※このイベントに慣れている方がいらしたら訂正してほしい。
開催時間も短く、全部網羅することは不可能なので、
優先順位をつけて回る必要がある。
公式Twitterで混雑状況などが配信されるので参考にしよう。
現在地から近いとか遠いとか、
そっちへ向かう人が多いとか少ないとかで行く場所を適宜判断する。
2018年の時はしっかり雨天だったにも関わらずかなり混雑していて、
講演会ですら立ち見が出、中に入れない人もいた。
改めて2023年のパンフレットをPDFで確認させてもらったが、2018年よりも企画がかなり増えているようだ。
2018年は来場者数に対して企画が少なく、どこへいっても大混雑で、来場者をさばききれていないと感じたが
(それでももちろん楽しかったし、
ためになったが)
これだけ企画を増やしていれば、上手くまわれば楽しめるのではないかと思った。
パンフレットの企画についてるマークをよく見て、
その中で抽選や先着のマークのついているものが、
おそらくJAXA側で人気を見込んでいる企画なのだと思う。

この中からこれぞ!というものを第一希望に、計画を立てるといい
送迎バス
当日はつくばエクスプレス終点「つくば」駅から
無料で送迎バスが出る。
バスの乗車時間はだいたい20分くらい。
2018年はしっかりとした観光バスが用意されていて快適だった。
開場に合わせた時間を目指して行けば、
結構な頻度で運行しているので、
逃してしまっても次がすぐに来る。
当日は駅に案内が出るはずだが、
2018年はつくば駅南口のつくばトナリエという大きい商業施設の前で送迎バスが発着していた。

バスは無料だ
ランチ
構内のコンビニをはじめ、
学食や屋台などもあるので、
お腹が空いて苦しむということはないと思う。
ただどこもかしこも非常に混むので、
行く途中でコンビニのおにぎりなどを買って持ち込んだ方が効率よく回れる。
天気が良ければ外で食べてもいいし。
天気が悪い場合は、室内の飲食スペース(空き教室を開放)が埋まる可能性が高いので、
お昼の時間よりも早めに食べてしまうか、遅らせるかするとスムーズだ。

何か買って持っていこう
講演会質問おじ
ちなみに、大人であれば講演会も非常に面白い。
しかし時々ネットなどで問題視されている、「講演会質問おじさん」(講演会で長〜い質問をしたり、知識マウントを取ったり、最悪の場合講演会を乗っ取るおじさんのこと)が非常に多い印象だった。
こればっかりは運だし、イラついてもしょうがないので、「そういう人がいるかもしれないな」くらいの心構えでいた方が楽だ。
狙撃するわけにもいかないので……

同行者のマナーが良いよう祈る
著者が実際に参加した企画
【講演】H3ロケットの挑戦
実際に種子島でH3ロケットの開発・実験に携わっている先生のお話でした。
内容としては、
H3ロケットは、ここつくばから富士山くらいまでの距離なら約20秒で到達できるとか。
こうしたロケットで宇宙に打ち上げる人工衛星の速度は80分で地球一周できるとか。
人工衛星の写真はすでに個人の顔の特定ができる精度のものが撮れるとか。
興味深い内容でした。
種子島のエンジンの実験場の映像も見せてもらいましたが、
ちょっと見たことないレベルの炎がボオォーと上がっていて(8階建てのビルくらいの大きさの炎に見えた)、
理系出身者としては、こういう人の命に関わるレベルの失敗がありえる実験はマジでやりたくないな、と思いました。
しかし先生はロケット開発が楽しくて仕方がないといった様子で、ロケットについて話す様子はまるで少年のようで、年齢の割に若々しく見えたのが印象的でした。
【講演】日本JAXA学会第二回学術公演大会
私が聞いた論文の内容は以下の二つです。
• 「軌道上でのビジネス活動に由来する第三者賠償責任の請求についての考察 - 軌道上での人工衛星への燃料補給ビジネスにかかる法的検討」
要約すると、宇宙事業で出るスペースデブリ、つまり回収不能な人工衛星の破片・スクラップなどが、他国の人工衛星を破損した場合、時速147kmで移動する人工衛星に対し、各国の制空権を適用して裁くのは現実的か?みたいな話だったと思います。
ご想像の通り、宇宙に関する法整備はまだどこも全然追いついてないのが現状のようです。
• 「大気圏再突入時エアロダイナミックヒーティングによる甘藷調理の最適条件の探索」
簡潔に言うと、ロケットの大気圏突入時の発熱で「焼きイモ」はできるのか?というオモシロ系の論文でした。YouTubeみたいですね。
【物販】宇宙食を買った
買ってみた宇宙食は、たこ焼き、サケおにぎり、ショートケーキです。
意外と高かったな。
たこ焼き、ショートケーキは、風味はすごくリアルだし忠実なんだけど、食感がすべてサラダせんべいみたいな、サクサクしてて粉っぽくて、マズくはないんだけども……という感じ。
サケおにぎりはお水を入れて振ると、ふっくらご飯になってしまう不思議な粉なのですが、こちらは食感もリアルで美味しかったです。
「宇宙食」なんて珍しかったから頑張って買ったけど、上記のようにネットでも普通に買えます。
災害時の備蓄にも使えます。
【施設見学】宇宙機試験施設見学ツアー
これ何だと思いますか?
これは、強力な遠心力がかかった物体が壊れるか?壊れないかを調べるための装置です。
なんかアホみたいなというか、原始的にも感じますけど、この装置自体の価格、安全に運用するための費用は多分莫大だと思います……
それだけ重要な試験ということなのでしょう。
【施設見学】追跡管制室見学ツアー

私が苦手(というかキライ)な実験の手法の一つなのですが、変化があろうとなかろうと、毎回のデータを定時に記録していく「アサガオの観察日記」みたいな…
人工衛星の追跡業務の内容を踊りながら教えてくれました。
これぞ理系大の学祭の学術展という感じ。
【施設見学】閉鎖環境適応訓練施設・低圧環境適応訓練施設


中に入れるわけではないのですが、実際の訓練施設を展示していました。
あなただったら、この訓練に耐えられそうですか?
私は身体弱いしな、とあまり真剣に考えませんでしたが、
家に帰り、自宅の狭〜いワンルームを見渡して、え、「閉鎖環境」ってもしかしてこのくらいの広さ……?と思ったりしました(笑)
【展示】宇宙ステーションの展示
感動したのが、宇宙に行ったメダカの子孫が展示されていたことです。
非常にありふれた、一匹50円くらいの「ヒメダカ」でした。
奇形になるとか、具合悪そうとかもなく、状態は良好の一言。
心なしか、メダカも「オイラたちのじーちゃんは宇宙に行ったことあるんだぜ!」と得意気に見えました。大変かわいかったです。
【上映】地球観測衛星「だいち」、月周回衛星「かぐや」
ホントに地味な上映会で「無音」だし、
映像の変化もほとんどないし、
退屈だからか、たいていの人がすぐ退席していく。
でも私はなんだか感動してじいん、としてしまった……。
まず、月面の映像がひたすら続く「かぐや」の映像。
生焼けのパンケーキみたいなボコボコした荒野を、一人でどこまでも歩いていくような映像だ。
その寂しさ。
普段、あんまり人と関わらずに、孤独を愛する!なんつってやっているけど、やっぱ人の気配のある地球で、それも日本で、東京で生きられているということは、ありがたいことなんだな、と感じた。
動画の最後は、パンケーキの地平線の先に、ビー玉みたいな、真っ青の地球がうつって完結する。
心の中で松田聖子の瑠璃色の地球が流れた。
この美しい星に生きられていることは幸せなことなのかも……と思った。
ついで、地球観測衛星「だいち」の映像が流れる。
なんと、真上からの視点の地球の表面の映像が流れる。
ファミコンのレトロゲーム、ゼビウスみたいな視点だ。
パソコンのブルースクリーンか?と思うような真っ青の画面に、
やがて小さな白い綿(ワタ)みたいのがあらわれる。雲だ。これがかわいいのだ。
もうしばらく見ていると、今度ははっきりとした白い点があらわれる。これは船のようだ。
やがて陸地が見え、人々の暮らす街が上空からうつし出される。
グーグル・アースなどでも航空写真は見ることができるが、
この「だいち」の映像は解像度が非常に高く、どちらかというとグーグルストリートビューに近いくらい、人びとの息遣いが感じられた。
まるで神様になったみたいな視点だった。
この、小さな点の一つ一つが生きていて、人生があって。
みんなも、私も。一生懸命、生きているということがなんだかたまらなく愛しく感じた。

スケールの大きい経験ができる
まとめ
これまでの人生で全く関わりのなかった宇宙事業だが、
国内でこれだけの設備投資がされているとは知らなかった。
しかもその中で、私と年も近そうな比較的若い男女が、
研究に邁進し、いきいきと輝いて働いている姿はまぶしく、
正直とてもうらやましく感じた。
この当時、私は宗教二世として、あらゆる進路を諦めて、宗教活動に搾取されるままになっていたからだ。
本当は、私だって、大学院に行って、
学術研究の領域に進んでみたかった……
そんなことを、久しぶりに思い出したのだった。
帰りのつくばエクスプレスの中で、
ポルノグラフィティのアポロをきいてみた。
岡野昭仁のハリのある歌声がハッキリと、
僕らが 生まれてくる ずっとずっと 前にはもう
アポロ11号は 月に行ったっていうのに、
僕らは この街がまだ ジャングルだった頃から
変わらない 愛の形 探してる
と言うのをきいた。
なんという驚くべき感性だろう。
やはりポルノグラフィティは天才だと
JAXAの帰り道に改めて確信した。

このままのスピードで世界が回ったら、
アポロ100号はどこまで行けるんだろう
備考:着ていく服、持っていくもの
ともかく歩きやすさを重視するべきだ。
スカートでもパンツでも合わせられる定番コンバース
行く途中、つくばエクスプレスで向かいに座った女の子(20代くらいの)は一人で参加するようだったが、
NASAのTシャツを着ていてなんかかっこよかった。
こういうのを着ていくのもいいかもしれない。JAXAだけど。
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一人で生きるハムスター
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